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複利とは

複利は金利の付き方の一つです。銀行にお金を預けると利子が付きますが、一定期間ごとにその利子を元本に組入れて、次の期間はその金額を元本として利子を計算することです。それに対して、最初に預けた元本金額に対してのみ利子を計算する方法を単利といいます。

例えば、次のような計算となります。

【前提】最初の元本:100万円、金利:年率3%

■単利計算
元本  × 利率 = 利子
1年目の利子: 100万円 × 3% = 3万円
2年目の利子: 100万円 × 3% = 3万円
3年目の利子: 100万円 × 3% = 3万円
元本+利子の合計 → 100万円+9万円=109万円

■複利計算
元本      × 利率 =  利子
1年目の利子:     100万円     ×  3% =  3万円
2年目の利子: (100万円+3万円)  ×  3% = 103万円×3%= 3万900円
3年目の利子: (103万円+3万900円)×  3% = 106万900円×3%=3万1,827円
元本+利子の合計→ 100万円+3万円+3万900円+3万1,827円=109万2,727円

このように、2年目、3年目に元本の金額が増えていきます。そして、この計算例を見ても分かる通り、複利の方が単利よりも利子の金額が多くなります。それは、期が変わるたびに利子を元本に組入れて、その利子にも利子がつくからで、いわば利子が利子を生む状態です。

したがって、預ける期間が長くなるほど、また、元本金額が大きいほど複利の効果は高まり単利と比べてメリットが大きくなるのです。この計算例は1年ごとに元本への繰入をしており「1年複利」といいますが、複利は「半年複利」「3ヵ月複利」「1ヵ月複利」など、期間は様々です。期が短くなるほど、利子が元本に組入れられる回数が増え、やはり複利効果が高まります。

投資信託における複利

複利は、基本的には、預貯金や借金など利子率が決まっているものの利子計算に使われます。投資信託の場合は、利子率(収益率)が決まっていることがないので、あらかじめ複利による収益を計算することはできません。ただし、この複利の考え方に準じた投資の方法があります。「再投資」という方法です。

投資信託では、利子の代わりに実績によって分配金が出ます。分配金を投資家が受取って使ってしまえばそれまでですが(単利と同様となる)、受取った分配金で同じファンドを購入すれば投資元本が増えます(複利と同様となる)。つまり、次の期には分配金も一緒に運用され、次の期に分配金が出るときには前の期の分配金にも分配金が付くことになります。利子が利子を生む複利と同様ですので、効率的な資産運用が可能となります。長期投資、投資金額が大きくなるほど、再投資効果も大きくなります。

しかし、預貯金とは異なり、投資信託では値下がりするリスクもあります。もし、値下がりした場合は、元本に繰入れた分配金の分も運用されているわけですから、その分も損失をこうむることになります。そういった意味では、出てくる分配金を再投資せずに受取ることは、利益確定の効果があります。ただ、投資対象の将来の成長性を見込んで購入するのが投資信託ですから、やはり、効率的に資産運用をするには再投資が推奨されています。

投資信託の便利なシステム

投資信託には「分配金受け取りコース(一般コース)」と「分配金再投資コース(自動けいぞく投資コース)」があります。前者のコースでも、受取った分配金でもう一度同じファンドを購入すれば再投資はできますが、分配金がファンドを購入するための最低金額に満たなかったり、手続きが面倒だったりします。そこで、後者のコースでは、分配金1円から自動的に同じファンドを買い付けてくれる(その分保有口数が増加する)サービスとなっています。しかも、分配金再投資コースでの再投資なら、販売手数料(申込み手数料)もかかりません。当面、受取った分配金の使い道がないのであれば、再投資コースを選ぶことをお勧めします。

注意点としては、これらのコース設定は販売会社がファンドごとに選択しますので、ファンドごとに再投資コースがあるかどうかを販売会社に確認する必要があります。