【ラーメンYouTuber】のSUSURUさんに聞いた!youtubeだけで生活できてるの?

最近、流行のYouTuber。しかし、その実態はなかなか掴めません。動画の再生数などに応じてYouTubeから広告収入の一部が払われるのは知っているけど、生活できているの?そもそもなんでYouTuberになったの? 仕事以外の時間を、ほぼYouTube鑑賞に充てている筆者(フリーライター:シマヅ)は、動画を観ながら不思議で仕方ありませんでした。

そこで今回、お話を聞かせてくださったのが、おそらく日本初の「ラーメンYouTuber」のSUSURUさんです! 毎日ラーメンを食べる動画を上げ続け、チャンネル開設約2年(2018年5月現在)にして、チャンネル登録者数はなんと約40万人! 最近では、「ラーメン花月」の宣伝大使を務めるなどYouTube以外の場でも華々しく活躍されている、今もっとも注目されているYouTuberのひとりです。

もとからSUSURUさんのファンだった筆者、インタビューを快諾されてから気分はウキウキ。聞きたいことは山ほどある! ……とはいっても、「を知る通信」(載っている媒体です)はお金にまつわるアレコレをお伝えするメディア。今回は、YouTuberとお金」をテーマに色々とお話を伺ってきましたよ!

ぶっちゃけ収入はどのくらい?

――さっそくですがSUSURUさん、かなり人気を集めていらっしゃいますが、収入のほうは……たとえば同世代(20代)と比較して、どうですか?

「ラーメンYouTuberなので『ラーメン何杯分ぐらいの収入』、みたいな表現のほうが言いやすいです」

 

――では、今は、ラーメン何杯分ぐらいの収入が?

「えーっと……ピンと来ないです」

 

――……あ、はい(じゃあ、なぜ言った)。

「まあ、最初はYouTubeの収入ゼロだったので、ニートから今ようやくサラリーマンくらいの年収にはなったよ、みたいな感じです。平均より、ちょい多いかも知れません」

 

――充分に生活できるぐらい稼いでいるってことですね。ところでSUSURUさん、色んなラーメン店で食べて紹介をしていますが、お店からお金を貰ったりしているんですか?

「それはないです。俺の場合は絶対にWin-Winでありたいと思っていて。何事も。自分が一応ラーメン業界の人間で、毎日ラーメン食べている動画を上げて、そこで『あいつ店から金もらってラーメン食ってるぞ』ってなったら信ぴょう性が失われるじゃないですか。なので、ギャラをもらってラーメン食べるとかは絶対しないです。もともと飲食系動画の場合は取材先も個人経営の店が多いし、有料の広告に取り組んで行く店はほとんどないですから。僕の場合は再生数などを評価されてYouTubeからの収入という形です」

実録!ラーメン二郎好きのニートが、YouTubeで生計を立てるまで

――そもそも、どういう経緯でYouTuberを始めたんですか?

「元からラーメン、特にラーメン二郎が週に3~4回食べに行くぐらい好きだったんです。2015年ごろ、当時はニートだったんで、ノリで毎日ラーメン食べて動画アップしてみよう、って。それが最初ですね」

 

――でも最初は無名だから、YouTubeじゃ稼げないですよね?

「正直、開設当初は本当にゼロだったので……。動画を始めたタイミングでバイトも始めて、最初はYouTubeとバイトのかけもちでした」

 

――じゃあ今みたいに稼げるようになるとは…

「勝算は全然なかったです。YouTuberって、動画再生数が悪かったりして悩んでも、相談できる人がいないんですよ。同業者の先輩に聞くって手もありますが、視聴者からのコメントにも無責任な物はあって。それを参考にして良くない結果が出ても誰も責任取ってくれないですよね。最初の頃は本当に、コメント1つ見ては落ち込みの連続でした」

 

――なんと言っても不安定な仕事ですから、就職を考えたりは?

「安定した収入を得たいというのは今でも思っていますけど、ニート時代は自分の中でやりたいと思うことがなくて。無気力な若者みたいな感じでした。ただ、自分の好きなことは割と熱中してできるタイプなので、それがたまたまラーメンとYouTubeだったっていう感じっすね。どこか有名な企業に入りたいなと思ったことは人生で1回もないです。好きなことしかできないタイプの人間だってことが自分でも分かっているので、普通の企業に就職するのは無理なんすよね、たぶん」

 

――YouTuberになって良かったことと悪かったことは?

「悪かったことは難しいですが、やはり視聴者さんからのコメントですかね。『デブ』とか『死ね』とかは全く気にしないです。ただ、動画だけ見て『まずそう』とか書かれると、『お前は、この店に来たことないだろ! 想像で語るな!』とムカつきますね。

逆に、この仕事を始めて幸せだったのは、今までだったら関わらないような業界の人とか、知り合いが増えたこと。あとやっぱり、俺が動画で紹介したラーメン屋さんに行ってくれた人が『美味しかったです!』って言ってくれることです」

企業体としてのYouTuberビジネス

――ところでSUSURUさん、最初に収入を「サラリーマン程度」とおっしゃいましたけど、正直、もっと稼いでいたりしませんか?

「そもそも、3人で収益を分けていますから……。動画配信の企業を3人で運営してるんです。ひとりは昔のバンド仲間なんですが、その後、ふたりじゃキツくなり動画編集が出来る人を加え、今の形に。みんな同じ力量だと思っているので、収入も3等分です」

 

――3人でチームを組んで会社にしてるんですね。

「メンバーの1人、さっき言った昔のバンド仲間で、ここにいる『チャル蔵』がWeb広告代理店出身なので、その流れで」

 

――チャル蔵さんは、今はその会社を辞めたんですか?

チャル蔵「前の会社の業として軽いノリでやらせてもらっていたんですが、SUSURU.TVが大きくなってきて、だんだん会社のやっていることと全然関係ないことになってきた。それで、じゃあ独立かなと。お金が入るようになって見通しも立ってきたし、前の会社の社長と話し合いながら徐々にそういう雰囲気になって。今でも前の会社とはBtoBのいい関係ですし、独立の時も少し援助してもらいました」

 

――その時点で社員3人分の給料をまかなえるようになっていた?

チャル蔵「ですね。独立したのは、3人分の給料をちゃんと出せるようになったのが大きいかもしれません」

 

――企業運営上の苦労などは?

チャル蔵「僕は前の会社でもともと動画編集をやっていたのでクリエイティブな作業は好きなんですが、企業となるとお金のことなんかをやらなくちゃいけない。税金とか。もちろん税理士さんと契約しているんですが……動画作りばかりをしていられない、というのはつらいですね。逆に、独立したことでお金は苦労にもなるんですが、好きに使い方を決められる自由があるのはよかったなと」

 

―― 一方、SUSURUさんは…?身体が資本の仕事って気がしますが。

「万年ダイエッターなので絞ろうとは思ってますけど、究極的には『生きて動けていれば健康』という(笑)。まぁなんか、壮大な人体実験みたいな感じで、ラーメン食べ続けて死にましたみたいなヤツがひとりぐらいいてもいいんじゃないかな、と。その方が面白いと思います。健康かどうかは気にしつつも、『ラーメンは食わせろよ』という感じですね。入院なんて話になればそれをネタに動画を作れるし、好きなもの食べて死ぬならいいだろ、と」

 

――動画を見ると、最近スープを残す量が増えているように思うんですが、それも関係ある?

「そもそも俺はラーメン二郎から入っているので……二郎って汁全部飲んだら死ぬじゃないですか(※個人の見解です)。死にますよね(※個人の見解です)。だから僕は、自分の中でラーメンの汁を全部飲むって習慣がないんですよ。完飲するときもあるんですけど、基本は淡麗系のラーメンで『これうめぇな』と思った時ですね。背脂チャッチャ系とかは美味いと思っても飲めないです。まぁ、ラーメンの食べ方は人それぞれですから」

 

ユーチューバー・ビジネス 次の一手は

――基本的にはYouTubeからの動画収益でやっているとのことですが、今後のビジネス展開は? 知名度を生かしてラーメンの店を開くとか。

「俺、将来ラーメン屋をやりたいのか、とか聞かれることが多くて困ってるんですけど、あれはノリでやるもんじゃないと思ってるんです。仕込みにはとんでもない時間が掛かるし、休憩時間もスープ見なきゃいけない、休みの日も結局店に来てスープに火を入れなきゃいけない……そういう苦労を知っているんで、まぁ並大抵のぽっと出のYouTuberなんかが『売れたからちょっと店やるか』なんてだめですよね」

 

――YouTubeだけではなく、有名な雑誌でラーメンの記事を書くとか

「いいですねー。でも文章を書くのは苦手なんですよ。動画で入るナレーションの原稿は、それ担当のノビーって奴が書いてますし。あとは、ラーメンの魅力を伝える場合、動画には勝てないと思うんですよね」

 

――ラーメン評論家にはならない?

「評論家という感じじゃなくて、ラオタ(ラーメンオタク)な感じの動画を作っているので。撮影の際も言い回しを簡単な表現にして、味を評論するというより僕はラーメンをこう食べたら楽しいよ美味しいよっていう方を伝えたいです」

 

――チャル蔵さんは、企業運営していて将来像をどう見ていますか?

チャル蔵「一般的にユーチューバーは動画収益と、広告代理店を通じていろいろなクライアントからいただく宣伝広告費というのが収入になるケースがほとんどなんですけど、SUSURUは飲食に特化したユーチューバーということで、後者があんまりない。飲食店ってあんまり広告費にお金をかけないという傾向があるうえに、ラーメン店は個人経営のお店が多いので資金の余裕もないということで。ただ、将来的にSUSURUが有名ラーメン評論家の石神さんに並ぶくらいに認知されたら、また新しい展開を考えられるかも、と思っています」

 

――知名度が更にあがれば、店や企業とのタイアップなども増えそうですよね。SUSURUさんご自身は、お店からお金をもらうことはしたくない、とのことですが…

 チャル蔵「個人の店は、それをやってしまうと、なんだかちょっと違うなという気がしますよね。ただ、ラーメン店を運営する企業・チェーン店なら、その辺のこともビジネスとして捉えているでしょうから、こちらとWin-Winの関係を作れます。しっかりとした企業であれば、きちんとしたお話をして、どう展開するかを考えていこうと思っています」

 

――たとえば「ウチの企業のラーメンを誉めてくれ」とか?

 チャル蔵「そうですね。そういう場合、ちゃんと『これは広告ですよ』っていうのをしっかりわかるように表示するとか、そんな形になると思います」

 

――ということですが、SUSURUさん、今後の活動の方向性は。

「ラーメンを食べやすくなるような動画を作りたいですね。僕は食べる専門。食べるのを魅せる、という新しいところで色々できたらなぁと。ラーメンを通じて、より多くの人が『こんなラーメン凄いよね』と思ってくれるのが理想です。業界を盛り上げたいというか、が、単純な考えですね」

 

――私(筆者)も何か動画ビジネスで一発当てられませんかね。日頃は酒ばっかり飲んでるキャラでやってるんですが…

「すげーキャラっすねw 何の動画を作るのか分かりませんが、お互い身体に気を付けながら頑張りましょう」

まとめ

ここには書ききれないくらい、たくさんのお話をしてくださったSUSURUさん。チャル蔵さんのお話からも、個人事業主とYouTuberの苦悩が見え隠れしたように感じました。

個人的には、SUSURUさんが「ファンとの恋愛はアリ」と語っていた事実をお伝えしたかったのですが、文字数の関係で割愛させていただきます。機会があったらまた記事にするかも!?

とにもかくにも、SUSURUさん、チャル蔵さん、ありがとうございました! これからも応援していきます!