10円を落とすと泉の神が500円玉をくれる貯金箱を作った

こんにちは、無駄なものを作っている藤原麻里菜です。

みなさんは、貯金できていますか。私はできていません。減っていく口座残高を見て、毎日震えています。

そろそろ大人だから将来のためにも貯金をせねばと思っているのですが、目の前の楽しみについついお金をつかってしまいます。例えば、酒とかネットゲームの課金、それに、好きなアイドルグループのグッズ、酒など。こういったものにお金をつかうことで、少ない給料が尽きてしまうのです。

頭のいい私は、とりあえず貯金箱で小銭を貯めることから始めようと思いました。で、貯金箱の穴に小銭を落としたときに、ふとあの童話を思いだしたのです。

金の斧 銀の斧
ある人が斧を泉に落としちゃって、超絶サゲな気分になっていた。すると、泉から神的な人がでてきて、「あなたの落としたものは、銀の斧ですか金の斧ですか」と言う。正直だったので、「いや、普通の斧を落としました」と言うと、「じゃあ、全部あげます」となぜか全部の斧をもらった。めでたしめでたし。

うっすらとした記憶であらすじを書いてみましたが、あってますでしょうか。あってますよね。
たぶん、正直に生きたほうが得をするよという教えなんじゃないかなあと思うのですが、なんで神様は急に金の斧と銀の斧をもってきたんでしょうね。論理がわかりません。

でも、落としたものよりも価値のあるものをもらえる。日常的にそんな経験ができたら最高ですよね。なので、この童話から着想を得た「金の斧銀の斧貯金箱」を作ろうと思い立ちました。

「金の斧銀の斧貯金箱」をつくろう

「お金を貯金箱にいれたら女神様がでてきて、なんかしらくれる」そんな仕組みの貯金箱にしていきます。見返りがあると、貯金のモチベーションもあがると考えているからです。

でも、大切なのは「なんかしらくれる」という部分の「なんかしら」ですよね。なにが嬉しいだろう。斧をもらってもまったく嬉しくはないです。かさばるし。

小銭をいれるからには、グレードアップした小銭をもらうべきではないかと、私は思うわけです。金色の小銭と銀色の小銭……。500円玉と100円玉。そうか、10円を入れたら神が500円と100円を持って出てくる貯金箱にすればいいのではないでしょうか……。はあ、私は頭が良すぎるな。

作るものが決まったので、さっそく手を動かしていきます。まずは、電子工作の部分から作っていきましょう。
お金を入れたことを検知するために、距離センサーを使います。これは、赤外線を使用して距離を測ることのできるセンサーです。プログラム次第では、何か物が遮るとそれを感知するという機能に使うことができます。

そして角度を調整できるサーボモーターをつかって、女神様を泉から出す仕組みを作っていきます。

距離センサーとサーボモーターをつなげてプログラムを入れました。
ここでは、Arduinoという基板を使用します。半田付け不要で電子工作ができるとても素晴らしいデバイスです。そんな素晴らしいものをこんな工作に使ってしまってすみません。

手を距離センサーの上に置くと、

モーターが動くという仕組みを作ることができました。

あとは、貯金箱部分を作っていきます。缶に穴をあけて、

神秘的な泉っぽい感じの装飾を施しました。

「金の斧銀の斧貯金箱」完成!

完成しました。「金の斧銀の斧貯金箱」です。私の工作レベルは小学生の時から変わっておりません。でも、真剣に作ったということだけ分かってほしい。

動かしてみよう

さて、早速10円玉を入れてみましょう。全ての貯金は10円玉からはじまります。

泉の中に私のなけなしの10円を入れると……。

ギュイーンという音とともに、女神が現れます。思ったより陽気な感じですね。ちなみに、「光ったほうがそれっぽいから」という理由で青色に光る仕組みも追加しました。神秘的で素敵でしょ……。神の陽気さに負けている気がしますが。

迫り来る圧みたいなものを感じます。これが神か。

そして、手には500円玉と100円玉が雑に握られています。

「あなたが落としたのは、こちらの金の500円玉ですか銀の100円玉ですか」

「さあ」

「どちらですか」

…10円ですね。

技術力がないので、音声認識の機能などは特にないのですが、とりあえず童話に沿って小芝居をします。テクノロジーに一番必要なのは、それに寄り添う心なのです。みんなに覚えておいてほしい。人間の協力なくしてテクノロジーは成立しません。

そんな小芝居を経て、お金をゲトることができます。

10円入れたら500円もらえる。そんな最高な貯金箱を作ってしまいました。500円玉を用意するのにコンビニで不用意な買い物をしたりしたけれど、結果的に500円玉をもらえるんだから儲かったもんですよね。そうですよね。なんか、おかしいところとかありましたか?

いやー、この貯金箱を使っていけば、きっと貯金が楽しくなってどんどんお金が貯まっていくはずです。欲しい人いたら3万円で売るので言ってくださいね。

なにしてるんだろう、私

いかがでしたでしょうか。このマシーンを使えば、貯金の悩みが解消されますね! ぜひ、みなさんも試してください!

……と、ウェブ記事っぽく締めようとしても締めきれない、そんな論理の破綻がこの記事では起きております。
財布にあるお札が500円玉に変わっていくだけの結果になりました。いや、作る前から「そうなるよなー」とは思っていたのですが、やっぱりそうでしたね。

しかし、私はすごいことを思いついてしまいました。神からゲットした500円玉を500円玉貯金箱に入れればいいのだと。全部貯まったら10万円とかになるあれです。あれに入れたら、完全にお金を貯めることができるじゃないですか。よし、明日から500円玉貯金を始めるぞ。いや、やっぱり明後日からにしよう……。

著者 : 藤原麻里菜

コンテンツクリエイター、文筆家。頭の中に浮かんだ不必要な物を何とか作り上げる「無駄づくり」をしている。

Twitter: @togenkyoo

Blog: 「藤原麻里菜」

<編集 池田繁孝(@shigetaka_1988)>