廃病院で聞こえた女性の声

あれは数年前の春の出来事です。
仲が良かった数人で楽しい思い出を作ろうと卒業旅行に行く事にしていたのです。
数ヶ月前から貯金をして、どこに行こうかなんて話し合っていた時に、一人がオススメの場所だといってパンフレットを持ってきました。
旅館は和風チックで綺麗な建物だったし、食事も美味しそうだったし、観光名所も周りには沢山ある上に値段も悪くなかったという事でそこに行く事にしたんです。
その時に気付いておくべきでした。
オススメしてきたやつが、無類のホラー好きだと…

思っていたとおり旅館は素晴らしく、観光して美味しい食事を堪能してと素晴らしい旅行だったのですが、突然一人が言い出したのです。
肝試しに行こう、と。

何でも近くに廃病院があるらしく、その手の雑誌などでも取り上げられる有名な場所なのだとか…
一度行ってみたかったんだと笑うやつを皆で軽く殴りつつ、結局行く事にしました。
夜の病院というだけでも怖いのに、そこは廃病院。
コンビニで買った懐中電灯を頼りに少しずつ進んでいきました。
キュッキュッっという足音を鳴らしながら廊下を進み、各病室を回っていきました。
すると突然一人が、あの病室から音がしなかったか?と言い出したのです。
そんな訳はないだろうと笑っていたのですが、そんな時、ふと何かの笑い声が聞こえた気がしました。
気のせいだろうと何度も念を押し、今度は手術室に向かいました。
扉を開け中に入ると、空気が変わったような気がしました。
何もないな、と言いながら一人が中に入り周りを見回していましたが、ふと手術台で光を止めました。
そしてみんな絶句したのです。

そこには、人の大きさくらいの何かが毛布に包まれていたのです。

なんか気味が悪いし、そろそろ帰ろうぜと誰かが言いました。
確かに良い時間だったので帰ろうかと足早にそれに背を向けて部屋を出ようとした時です。

「どこへ行くの…?」

確かに、女性の声が聞こえたのです。
振り返ってはいけない。
頭に警鐘がなり響いていましたが、恐る恐る、後ろを振り返ってしまいました。
すると、その毛布が浮き上がっていくのです。
まるで人が起きるように…

私達は叫びながら急いで玄関へと向かいました。
走りながらも、後ろからは笑い声が響いてきていました。
止まったらいけない…止まったらいけない!
恐怖と戦いながら、なんとか玄関にたどり着き、迷わず走って潜り抜けました。
そして旅館につき、念の為と周囲に塩を盛ってからやっと一息つくことが出来たのです。

結局恐怖で寝付くことが出来なかった私達は、近くのお寺に伺う事にしました。
廃病院に行った事、そしてそこで起こった事…
住職さんに説教され、そしてお祓いをうけました。
そしてお話を聞いたのですが、やはり私達のように肝試しと称して行く人が絶えないらしく、そしてたまに行方不明者が出ているのだと聞きました。
警察が調査しても分からないのだとか…
私達も、もしかしたらそうなっていたのかもしれない…
そう考えたらゾっとします。
ある意味印象に残った旅行になりましたが、もう二度と行きたくないと思いました。

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