座敷から聞こえてくる引き戸を叩く音

今から10年ほど前になります。
創業120年以上という歴史のある材木会社で働いていました。

私の仕事は主に倉庫管理で、休憩や食事以外はほとんど倉庫の中で仕事をしていました。
夏はサウナのように暑く、冬は冷蔵庫のように寒い仕事なのでアルバイトさんが入社してきても、1カ月も続かず、結婚を機に退職するまでの約10年間ほとんど一人で倉庫管理をしていました。

決して楽ではない仕事でしたが、歴史のある会社なので温かみのある上司や職人さんがとても良くしてくれました。お盆休みやお正月休みの前には必ず食事会がありました。
食事会はいつも倉庫の2階にある座敷で行われました。

座敷は普段鍵がかかっていて誰も入ることができませんし、初めて食事会に参加するまで倉庫の2階が座敷になっているとは全く知りませんでした。

恐怖の体験は、何度目かの食事会の翌日でした。
食事会は盛り上がり笑い声が絶えませんでしたが、午後11時を回り「そろそろお開き」になりました。
材木会社の娘さんでもある事務員さんと一緒に、みんなを見送り最後に座敷の鍵を掛けました。

食事会の後片付けは翌日、というのが当たり前で、その日も仕事が始まる前に片付けてしまおうと座敷へ向かいました。
そして座敷の引き戸を開けようとした瞬間、鍵がかかっていることに気がつきました。
事務所に鍵を取りに行こうと、立ち去ろうとした瞬間、引き戸の向こう側から「コンコン」と叩く音がしました。

前日、事務員さんが鍵を掛けるのを見ていたし、座敷には誰もいないはずなのに・・・。と思うとゾッとしました。
背筋が凍りつくとはこのことだなと思いました。何も考えずに階段を駆け下り、事務所へ向かいました。
「座敷の鍵を忘れて」そして「座敷の方から引き戸を叩く音がしたんですけど」というと事務員さんは笑いながら「そう?よくあることよ」と言い「ありがとう、私が片付けるわ」と座敷へ向かっていきました。

そのことがあってから、ひとりで倉庫にいると背後に気配を感じるようになりました。
背後だけではありません、材木の間などにも気配を感じるようになりました。

また少し霊感のある職人さんと倉庫内で話をしていると、ものすごい速さで黒い影が、倉庫の天井から床の一番端までを走ったりとビックリするような現象が続きました。昔からこの材木会社を知る職人さんに、これらの体験を話すと、昔倉庫内で職人による親方刺傷事件があったと話してくれました。その刺された親方は事務員さんの祖父にあたる人だそうです。

歴史のある会社にはなにがしか因縁があるものです。怖いなとは思いましたが、だからといって仕事を辞めるわけにはいかないので恐怖体験があっても気にしないように、深入りしないように寿退社する日まで勤めました。

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