既知からの自由 ジッドゥ・クリシュナムルティ

簡単に言えばこの本には真理が書かれています。それは痛快なまでに真実なのだが問題なのは私たちには彼の書いたことを理解することがほとんどできないことです。

これは彼自身の言葉なのであってそれを私たちのものにすることはできないし不可能だしまた最もはじめからそんなことをする必要も全くないというほうが正しく思えます。

私が好きな箇所は「観察するものと観察されるもの」というテーマです。

実際問題このことについて考えることは無意味です。なぜなら私たち(今こうして文章を書いている私)は見られるものであって見るものを見ることは不可能なのであります。

そこで彼は観察者のことを観察されるものであると説きます。それは要するに私たちが普段考えていること、実際に今見ているものや自分が今いる環境などすべてが自分なのだといっています。人は意識的にも無意識的にもそれを自分のなかにとりこんでいきそのとりこまれたものによって(過去の堆積物)私たちはなりったっていると説明します。

要するにそれは心の動きなのであります。彼は心の動く瞬間を自分で観察しその結果を見なさいと言っているのだと思います。
なぜなら私たちはそのプロセスを忘れてしまうからです。無我夢中になり深い溝へとはまり込んでしまえばそれで終わってしまいます。
しかしリアリティーはそうではなくそれは単なる思い込みであると、イメージを作り出しているのもまた自分自身なのです。

そうした思考の動きを一つ一つみることの重要性を説いてくれる一冊です。