残念な人の思考法 山崎政志

残念な人は、だいたい、どこの仕事場にいます。
そして本書は、一度でも「仕事」というものについて考えたことのある人なら、大きくうなずく内容満載です。

たとえば近所の行列ができる飲食店について。
そこは、行列ができているにも関わらず、残念な店です。
人がたくさん集まっているということは、「繁盛している」と思われがちですが、事は、そう単純ではありません。
筆者は、厨房の様子を見て、席数を数え、店の回転率や売上を割り出し、ざっと利益を計算してみせます。

たしかに、店の外観だけではわからなかったけれど、実際に客として店を利用してみれば、その「残念さ」に気づくことがあります。
本書には、そういった経験をリアルに思い出させるエピソードが、繰り返し登場します。

店だけではなく、会社の中や、他社から営業に来る人の中にも、残念な人はいます。
ただし、ひとことで「残念」とはいっても、惜しい、もったいない、という人たちが少なからず存在します。
筆者は、会社の中にいる「もったいない人」について、上司の立場から、改善する方法を提案しています。
逆に、残念な上司についても、同様です。

身近な人が、すぐに思い浮かぶような話ばかりで、これらが、いかに普遍的なことかが、わかります。

もしも、現在の職場に不満があって、転職を考えているような人は、一読をお勧めします。
残念な上司について書かれた部分に納得し、カタルシスを覚え、あるいは、自分の残念さに気づき、激しく動揺するかもしれません。

そうです。
「残念な人」というのは、よほどのスーパーマンみたいな人以外。
つまり、私たちほとんどの人間は「残念な人」なんです。
常に残念なのではなく、ある部分、あるいは、ある場面で「残念」になってしまうことがあります。
そのことに気づき、どうすれば、残念にならずにすむのか。
そして、改善と思って実行していることが、本当に「改善」なのか。
ただ、走っているだけでは見えてこない、あらゆる事柄について、考えるきっかけを与えてくれるでしょう。