廃線になった路線バスのバス停での事

車の免許を取ったすぐのことでしたので、18歳の夏頃だったと思います。
当時は親の車を借りて、夜になれば友達とドライブに出掛けていました。
カーステレオを掛けながら、どこか知らない土地までドライブする。
お腹が減ったらハンバーガーを食べたり、ファミレスに入って腹ごしらえ。
そんな事をくり返していました。

ある時いつものように友達を誘って、男二人で夜のドライブに出掛けました。
どこをどう通って行ったのかあまり覚えていなのですが、見慣れない山道を走っていました。

山道と行っても片側1車線のキッチリと舗装された道路です。
ガードレールもあるので、国道か県道なのでしょう。
少ないながらも街灯があるような道路でした。

しばらく走っていると、緩やかな下りの大きな左カーブがありました。
カーブにゆとりをもたせるためでしょうか、路肩のスペースが大きく開けてありました。
車を停めるには十分すぎるほどの場所があります。

ずっと山道を走って来たので、そこで立ちションすることにしました。
万が一、他の車が通って見られると恥ずかしいので、停めた車の陰になっている部分で立ちションをします。

街灯がポツリ、ポツリとしか無いので車のライトを消すと辺りは真っ暗です。
しかし不思議にも周りが見渡せるほどの灯かりがあったのです。

用を足し終えて車に戻ろうとすると、バスの停留所みたいなものが見えました。
屋根と側面、背面をコンクリートで固めてあるような、典型的な田舎のバス亭です。

しかしバス亭の前面の部分をトタンで覆って黄色と黒のロープでグルグル撒きにしてあり、バス停には入れないようにしてあります。
路線バスが廃線になったのかと思わせるような感じです。
ですが、どう見てもバス亭の中から灯かりが漏れているように見えます。

街灯が無くても辺りが明るいのは、あの漏れた光のせいだったようです。
少しバス亭に近づいて見ると、覆っているトタンの角が破れてそこから灯かりが漏れています。
バス亭の中で何が光っているのか?
好奇心が沸き起こります。

近づくに連れてオレンジ色の灯かりが強くなり、光がゆらゆらと動いているようにも見えます。
友達と恐る恐る近づきます。
破れたトタンの隙間から中を覗きました。

バス亭の中には無数のローソクが立てて並べてありました。
もう何千本ものローソクに火が点けられて、ゆらゆらと光が揺れているのです。
びっくりしたのはもちろんですが、ローソクの数に圧倒されて見入ってしまうほどの光景でした。

次は友達が覗き込みます。
「な?凄いだろ!」と興奮気味の私に対して友達は冷静に応えました。
「ヤバイな、とにかく早く行こう」

私は意味が分かりませんでした。
すると友達が言います。
「こんな山の中で、これだけのローソクを点けているという事は近くに人がいるはずだよ」
辺りをキョロキョロ見渡します。
「しかもひと気の無い場所でこれだけのことをするんだから、何か儀式的なことかもしれないし。人に見られたくないんだよ」

そこまで言われてハッと我に返りました。
そうだ、これは絶対にヘンなんだ。ここは異常な状態なのだと。

慌てて車に乗り込もうとした時、カーブの谷側からガサゴソ、ガサゴソと何やら谷を這い上がってくるような音がします。
もうパニック状態で車に飛び乗り、急いで車を出しました。

どこを走って帰ったのかあまり覚えていませんが、無事に家に帰ることができました。

この話を他の友達に話すと、是非行きたいという友達が数名集まりました。
7人で車2台で行くなら大丈夫だよと言われて、こちらも気持ちが大きくなりもう一度あのバス亭に出掛けました。

しかしあのバス停が見付かりません。
いえ、バス亭どころかあの山道さえも見つけられませんでした。

一緒に行った友達も場所を覚えていないとの事。
あのバス亭の中のローソクは一体なんだったのでしょうか?
あの谷から登ってくるような音は?

直接、お化けを見たワケではありませんでしたが、怖い思いをした夜でした。

広告

関連記事

行ってはいけない廃墟

これは僕が高校生の頃の話です。 僕にはある趣味がありました。 それは廃墟巡りです。 よく休日を

記事を読む

踏切の夢

高校生をしていた時のお話です。 同じ夢を二、三度見ました。 今までそういう経験がなかった上に

記事を読む

川辺に着物の女性

私が小学生だったときの話です。放課後、友人たちと近所の公園でサッカーをしていました。夕方になり解散と

記事を読む

交際相手と別れようとすると必ず起きる出来事

今からだいたい、一か月前の出来事になります。 2014年のできごとです。 付き合っている人がいる

記事を読む

誰もいないビルで足音が聞こえた話

私はもともと霊感が強くなく、というか霊感はないと思っていました。 小さなころから心霊体験をしたとい

記事を読む

呪いのアパート

3年前の体験談です。私が以前住んでいたアパートでの心霊体験です。 私は築10年二階建て二階のア

記事を読む

ピアノレッスン棟での霊体験

今から15年ほど前、自宅から細い道を隔てた前の駐車場奥に建てた、私専用のピアノレッスン棟での霊体験で

記事を読む

自分が死んだことを理解していなかった祖父

これは祖父に関しての不思議な経験ですが、30年程の期間、時々起ったことです。 まず、祖父が亡く

記事を読む

こっくりさんの最中にコインに添えた手を放してしまいました

これは、私が中学1年生の時に、実際に体験した恐怖体験です。 当時の私は、部活の友人たちとこっく

記事を読む

おじいさん、霊界へ旅立つ

これは、私が24歳の時のお話です。 ある日、私の祖父は、呼吸の苦しさで夜も眠れない状況になり、

記事を読む

広告

事故死の老婆

これは、私の知人Tさんが10年ほど前に体験したお話です。 その日

丑の刻参り

忘れもしません、あれは中学2年の夏のことでした。 当時仲の良かっ

知人の妹が死んだ時間に首が外れてしまう

中学生の時の話です。小学生の頃からちょっとした霊感はありましたが、まさ

信州のお墓隣接したホテルでの出来事

もう20年前のお話しです。 当時働いていた会社で信州に新しく支店を作

ダムに身投げをした少女の霊

私が大学時代の話です。 時期は2000年ごろの夏だったと思います。

→もっと見る

広告

  • にほんブログ村 哲学・思想ブログ 心霊・怪談へ

  • まだデータがありません。

PAGE TOP ↑