僕とおじいちゃんと魔法の塔 香月日輪

カテゴリ:小説・文芸 本の著者:

小学6年生の主人公陣内 龍神(じんない たつみ)は、家族をしっかりと引っ張る子供たちの憧れの父と、それに寄り添う美人で優しく笑顔を絶やさない母、優秀な弟に勝気でスポーツ万能で活発な妹と暮らしています。龍神本人は、通知表にはいつも「おとなしくて大変いい子です」と毎回評価されるようなタイプ。明るく笑顔の耐えない家庭の中で不満がある訳ではないものの、自分がどうしたいのか、何をしたいのか心の底で悩む日々を送っていました。そんな時、岬にた佇む黒い塔に出会います。まるで魔法の本に出てくるような魅力的な塔に引き寄せられるかのように塔に踏み入ると、龍神の生まれる前に亡くなったおじいちゃんが幽霊として存在していました。普段の生活でもある人物に出会います。視の人物の抱える問題、自分の問題、塔で出会った変わり者のおじいちゃんと共に、迷っている事の本質や、進む道を見出し普通の生活から実感のある生活へとかわり成長して行くお話です。

2014年7月の時点で6巻まで刊行されています。この本を手に取ったのは、この作者の別の小説を以前から読んでいて別シリーズがあることを偶然知って読みました。もともと小学生用の通信教材に連載されていた作品で、単行本化されたものです。ページ数も少ないので2時間程度ちょっと時間が空いた時に読める作品です。

主人公の設定は第1巻では小学6年生という事で子供向けになってます。しかし、大人が読んでも疑問を投げかけられる内容となっています。漠然とした将来への不安、やりたいこともまだ定まらない焦燥感。おじいちゃんとの出会いでがらりと主人公の運命は変わり自分のやりたいことや、自分の行動には責任が伴う事などを学んでいきます。主人公と同じように自分が子供の頃に同じように感じた事のある大人も多いと思います。子供も大人も自分の生き方について改めて考えさせさせられる作品です。

この作者の作品の傾向として、人間の偏見や現代の人間関係など、人との関わりや繋がりについての問題提起が多いです。不思議な力や妖怪、幽霊などが作中に登場するものが多くファンタジーとしてもとても読みやすいです。近年ではあまり読書をしない方も多いですが、難しい表現も無くとても読みやすいので、普段本を読まない方や、小中高生に是非読んで欲しい作品です。

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