フライ、ダディ、フライ 金城一紀

カテゴリ:小説・文芸 本の著者:

この本は、テレビ番組の筋書きに興味を持って、その作者の書いた本を探したときに最初に手にとったものです。

主人公は、47歳の中年会社員であり、妻と娘を養うために普通に働く鈴木一(すずきはじめ)という父親です。この父親は、ある日彼の娘である遥(はるか)という17歳の高校生が渋谷で怪我をさせられるところから変わっていくといった大筋から成り立っています。

ただのおじさんとして存在していた彼は、遥を傷つけた、同じく高校生の男子生徒と対立することになります。ただし、その高校生はただの生徒ではなく、学校の看板をしょってたつ、ボクシングの有名選手だということがわかります。その、事件についても、先生をはじめ取り巻くものたちは、大事な生徒であるということで、お金を、渡して終わりにします。しかし、次第にその事件の真相がわかるにつれてどうしてもその、男子生徒に仕返しをしないことには何も守れないことに気づき、ひょんなことで出会った別の高校生の男子生徒のグループである自分にとっては息子のような年齢の子達に鍛えてもらっていきます。

そのグループは、その、父親と同じような目的を持っていて、特に、その中に一人在日の学生が強く、彼がその父親を一対一で毎日トレーニングに付き合ってくれるわけです。
 その在日学生である朴舜臣(パクスンシン)が、いまどきの高校生にありがちな、ドライな感じを持ちながら実際はその父親に真剣に付き合ってくれる日々のおかげで、そのインターハイボクシングチャンピョンである石原という生徒に打撃をあたえるまでになれるのです。
結局は学校ぐるみの傷害事件を隠蔽したことはその学校の生徒たちにわかるものとなり、父親である鈴木は満足をして、娘の遥、妻の夕子のもとに帰ることができるというものでした。

作風は、やはり、テレビ番組と同じように、日記風につづられていましたが、テンポよく、歯切れよい、文章が心地よかったです。
ほかにも、GOという直木賞受賞の作品もありますが、やはり、何かひきつける魅力のある本でした。

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