だれとも打ち解けられない人 加藤諦三

カテゴリ:人文・思想 本の著者:

私が初めてこの本を手に取ったのは、人間関係にどんずまりになってしまって会社を退社した後でした。なぜうまくいかなかったのかを自問自答し続けて、それでも答えが見いだせないまま数年をほとんど知り合い以外の人との付き合いをしないで過ごした後でした。

昔から私には人とのかかわりをどこかセーブしていて不安で満ちていることを自覚するようになりました。「なぜ」という理由が解けないままで気持ちの悪い思いをしてきました。私が人間関係でうまくいかないのは、私の性格が単に悪いからだと思ってきました。
しかし、この本を読んで必ずしもそうではなかったこともわかったのです。

まず、なぜ誰とも打ち解けられないのかという疑問に答えるところからこの本は始まりました。
私の長年の疑問、なぜ人とうまく打ち解けられないのかという疑問をこの章では少しずつ解いてくれました。誰といても仲のいい友人といても疲れてしまう自分がいることに気づくことからはじまりました。自分の弱さをさらけ出せないことで疲れる自分がそこにいたのです。

そして、自分のせいだと思い込んでいたことにそうではないと答えを出してくれたのです。これにはかなり救われた思いがしました。

著書の中に出てくる「いつわりの自己」について敵意を持たずに受け止める姿勢を少しずつ作り出してくれるのです。そして、具体的に一つ一つどうしたらいいのかを小さな項目に分けて考えさせてくれます。子供時代の恐怖の再体験やいい人としての自分の矛盾など再度意識しながら、ならばいらない人間関係を捨てる努力をすることやストレスが起きても自分の心を保つための心得などを身に着けて行けるように説明してあります。

自分の中の負の部分に向き合うのは、正直なところとてもキツイ作業です。しかし、自分の中にある問題点をクリアすることで明るい未来が切り開けるかもしれないと思うなら、こういった本というツールを使って読み解いていくこともよい方法かもしれません。
特に自分の中に負の部分を見る人にとっては、「誰にも知られたくないけれど、どうにかしたい」という部分に答えてくれるものだと思います。

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