ギリシア神話を知っていますか 阿刀田高

カテゴリ:歴史・自伝 本の著者:

読んで面白いだけではなく、実用的でもあります。著者の阿刀田高は1979年に『ナポレオン狂』で第81回直木賞を受賞した小説家で、ミステリーやブラックユーモアのある短編などで知られています。また個人的には、文章が非常に読みやすい作家だと感じます。

『ギリシア神話を知っていますか』は、その名の通り、阿刀田氏がギリシャ神話についてわかりやすく説明してくれる本です。

一般的な知識として、ゼウスやヘラクレスなどの名前は知っていても、『ギリシャ神話』を読んだことがあるという方はなかなかおられないでしょう。素人が古典について理解を深めるということは、なかなか簡単なことではありません。しかしそんな方にもわかりやすく、かつ楽しく読めるのが本書のいいところです。トロイア戦争のエピソードやクレタ島のミノタウロス退治など、比較的著名なテーマを扱っています。興味本位で、気軽に手にとっていただいてもいいですし、大学の授業でギリシャ神話を扱っているがなかなか頭に入ってこない、という学生さんなどには、学問へのとっかかりとしてお読みいただいてもいいかもしれません(ただし学術書ではなく、また著者個人の意見や想像が含まれているので、レポートなどの参考文献としては適さないと思います。あくまでとっかかりです)。

特に美術館に行くのが好きだという方には、この本はとても役に立つでしょう。美術史に残るような名作には、ギリシャ神話に題材をとったものが非常に多いのです。たとえばボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』などは、非常に知名度が高い絵です。このような絵を見た時、それがどんなエピソードのどんなシーンを描いたものなのかがわかると、なお一層鑑賞の楽しみが増すことでしょう。一般教養としても、知っておいて損はありません。

ちなみに、同氏は他にもいくつか『……を知っていますか』という本を書かれています。美術鑑賞がお好きな方には、特に『旧約聖書を知っていますか』『新約聖書を知っていますか』がおすすめです。聖書を元に描かれた名画も、また非常に多いのです。

良い書評でしたら共有お願いします

関連書評

天命つきるその日まで アンパンマン生みの親の老い案内 やなせたかし

アンパンマンの作者でお馴染みのやなせたかしさんのエッセイで、93歳のときに執筆された本です。 主に

記事を読む

あかんやつら 東映京都撮影所血風録 春日太一

あかんやつら 東映京都撮影所血風録 には、映画制作会社である東映の歴史と、その本拠地たる京都撮影所で

記事を読む

覆す力 森内俊之

棋士として著名な森内俊之永世名人が書いた自伝的要素の強い内容となっています。タイトルは「覆す力」とな

記事を読む

社長失格 板倉雄一郎

『社長失格』は板倉雄一郎氏による自伝とも言える、ノンフィクション本です。 プログラマーとしてゲーム

記事を読む

私のスフレ 林真理子

林真理子さんの中学校の後半くらいから、作家になるまでのエッセイ集。 何となく手にとって読みました。

記事を読む

月間人気書評ランキング

既知からの自由 ジッドゥ・クリシュナムルティ

簡単に言えばこの本には真理が書かれています。それは痛快なまでに真実なの

学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話 坪田信貴

この本は学年でビリで偏差値が30以下のギャルが進学が危うい状態だったの

甲賀忍法帖 山田風太郎

山田風太郎氏のいわゆる「忍法帖」シリーズの第一作目です。深く考えずに読

孤島の鬼 江戸川乱歩

江戸川乱歩は非常に著名な作家で、名前を聞いたこともない、という方は少な

阪急電車 有川浩

図書館戦争で有名な有川浩の作品です。 阪急電車。近畿圏内の方しか

→もっと見る

PAGE TOP ↑