キウイγは時計仕掛け

カテゴリ:小説・文芸 本の著者:

森博嗣さんという元国立大学理系学部の准教授だった方が書かれたミステリー小説です。この本から突然読んでも十分に楽しめるとは思いますが、やはりS&Mシリーズの「すべてがFになる」から読むと、さらにこの小説が楽しめると思います。森さんの作品はこの「すべてがFになる」から真賀田四季の天才的な面と、殺人をゲームのように楽しむ恐ろしさが漂っていると思います。シリーズの中では全く関係ないような事件で、彼女の名前が一切出て来ないものもありますが、事件に関係ないのに描かれる女性がいると、「もしかして真賀田四季なのでは?」と疑ってしまうぐらいです。

「キウイγは時計仕掛け」はGシリーズと呼ばれるシリーズの最新作です。建築関係の学会が開かれる大学に、学会前日にキウイが届きます。そのキウイはただのキウイではなく、缶ジュースなどに使われるプルトップが刺さっていて、手榴弾を表しているようにも見えるものでした。しかし、犯行予告や脅迫がないことから、一応は警察に知らせて学会の準備が進められます。しかし、その日の深夜、同じようなキウイを持った人に大学の先生が射殺されます。

事件後に警察が最初に届いたキウイをよく調べると、「γ」の文字が書かれていました。不可解なギリシャ文字が犯行現場に残る事件が続いており、その首謀者がかつてS&Mシリーズで事件を起こしたあとに行方が分からなくなっている天才、真賀田四季ではないかと警察も考案も考え、彼女の捜索を続けています。

Gシリーズはときどき彼女の名前が登場します。その天才が認めた、ちょっと風変わりな大学の先生、犀川と、彼の教え子の西之園萌絵が少しずつ真賀田四季の計画に巻き込まれて行くシリーズです。S&Mでは犀川と西之園がメインでしたが、このシリーズは途中から登場場面が増えます。まるで、真賀田四季に操られているかのように、真賀田四季の登場に合わせてこの2人が登場します。

キウイγも真賀田四季が関係していると犀川は考え、公安に連絡をしますが、結局、真賀田四季が関わっているのかどうかが分かりません。そこに、この作品を読んで怖さ、ひっかかりを私は感じました。あっさりと書かれ過ぎているような、どうしてこんな半端な感じで終わってしまったんだろうと思いました。
森ミステリーを読んだことがまだない、ミステリー好きにはとてもおすすめです。

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