詐欺の帝王 溝口 敦

カテゴリ:歴史・自伝 本の著者:

今の世の中で非常に問題となっているテーマの一つに、オレオレ詐欺やそれに似たような手口の非常に多くの詐欺が増えてきていて、システム化されていることで黒幕が見えにくいという問題があります。この本では、「詐欺の帝王」と周りから呼ばれるようになってしまった人に取材をしていて、内部の人間にしか知ることができないであろうシステム化されている詐欺の構造的な内情を知ることができる非常にレアな書籍であることは断言できます。

また、実際に詐偽を行っている人だからいえる詐偽についての考え方が独特であり、人によっては不快な思いをするかも知れません。しかし、巨大な犯罪組織のトップにいた本人の考えていたことやパーソナリティを知ることができることは自分が詐偽にあわないためにも非常に意義があることのように思いました。

本書で書かれている大きさの詐欺グループであればある程度の周りから信頼を受けている者じゃないと、内部から裏切られボロボロに崩壊した可能性が高く、そういう風にならなかった理由などについて、どのような人物であったかについて大変興味深いことが書かれていました。

巨大詐欺グループのトップという社会的に悪者の対象にかかわらず多くの寄付や、様々な慈善事業へお金をつぎこんでいることはとても不思議なことのように思えました。とにかく面白くて一気に読んでしまいました。

読んだ後にふと思ったのは、振り込め詐欺グループの帝王といわれた人がなぜここまで自分の内面や、詐欺業界の内情について事細かく著者に話してしまっているのかということであす。よくここまで引き出せたなあと非常に感心させられました。

ただ、この本では詐欺グループの帝王が肝心なところはあやふやにしてインタビューに答えているので、みんなが一番知りたいと思えるところについてはぼんやりしています。そこのところをつっこんで取材して欲しかったというのが残念という気がします。とてもためになることが書かれているので面白いのでとてもお勧めです。

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