私の台所 沢村貞子

カテゴリ:歴史・自伝 本の著者:

昭和の時代に、母親、お姑さん役で活躍された女優、沢村貞子さんのエッセイです。毎日のくらしを、丁寧にこだわりつつも楽しく暮らされている様子が綴られています。例えば、献立日記をつけている話とか、お友達、知人との上手な距離を持ったお付き合いの仕方など、本当に普段の生活が書かれています。

出版は、昭和57年にもかかわらず、まったく古さを感じさせない内容です。30年ほど前となると、暮らしぶりもだいぶ変化してきましたが、人間、特に家庭を預かる主婦の基本的な部分は変わらないのかもしれません。

ひとつのお話が、3~4ページなのでとても読みやすいです。エッセイなので、沢村さんのお話を聞いているようなゆったりとした気持ちで読み進めました。
主婦の生活の内容なので、自分にも取り入れられるところがないかを気にしながら読みました。

印象的なのは、まず沢村さんのお人柄です。私は、昭和の時代の映画、ドラマには疎いので、女優としての沢村さんは存じ上げないのですが、本のなかの女優、そして主婦として生きる沢村さんは、とても素敵な人だと思いました。さっぱりしていて、気立ての良い人柄が伝わってきます。子どもの頃から、母親に家事を厳しく躾けられた為か、とっても段取りよくこなしている様子が印象的です。

今の時代、共働きも多いので、そんな中でも役に立つヒントが詰まった一冊です。

私も、沢村さんに倣い、献立日記をつけ始めました。バランスを考えたり、似たような料理が続かなかったりと役に立っています。
季節を感じながら、献立を考えたり、家や洋服の手入れをする、ごく当たり前のことを丁寧にする暮らしが、慌しく過ごす毎日の合間に読むことで思い出される1冊です。

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